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隣に並んだ琢磨が空から降ってくる雪を見ながら、「もうクリスマスだね」と呟く。
「そうだね。
まだお昼なのにめっちゃ寒い」
はぁとまた手に息を吹きかける。
琢磨が巻いていた自分のマフラーを半分咲来の首に巻きつける。
「どう?」
「……温かい」
「よかった。
……ねぇ、渡未さん」
「うん?」
「いつになったら、君の書いた『遺証』読ませてくれるの?
僕のは、もう読んでるのに」
「私、始めに言ったよー。
完成するのは、だいぶ先だよって。
今日、編集者さんに結末の原稿を渡して来たけど。
でも、もう上巻は発売されてるのに、買うことはしないの?」
首を傾げて尋ねると、琢磨はいったて真面目な表情で答えた。
「君が読んでいいって言ってくれてからじゃないと意味がない」
その返答が琢磨らしいと思って、咲来はくすくすと笑う。
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