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「ねぇ、渡未さん。
今日、何の日か覚えてる?」
「クリスマス」
「そういう意味じゃないの分かってるよね?」
「君が脳死から目覚めたのと、私達が付き合い始めてちょうど5年目」
ーーーーーー10年前のあの日、尋ねられた心臓移植の質問を咲来は受けなかった。
『ごめん、なさい………。
私は、受けられ……ません………』
『…………………』
『彼は、私に生きる〝希望〟を、〝意味〟を、〝理由〟を、与えてくれた人です。
だから、お願いです。ワガママだと、身勝手だと、分かっています。
………でも、でも、お願いです。
彼が目覚めるまで待たせてください』
『『『………………!』』』
3人が驚いたように目を瞠る。
『…………しかし、君も心臓のドナーを待っているんだろう…?』
『…………私も、彼が目覚めるまで待ちます。
約束したんです。私が元気になったら海を見に行こうって。
だから…………』
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