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『………分かった』
琢磨の父親が了承の返事をしてくれる。
それから1年だ。咲来のドナーが見つかったのは。
しかし、琢磨は目覚めなかった。
咲来は、毎日のようにお見舞いに行き、琢磨の時のように本を買ってきては琢磨に読み聞かせた。
度々、諦めの言葉を琢磨の家族からも医者からも掛けられたが、それでも咲来は待ち続けた。
そして、琢磨が目覚めてから5年の月日が経ち、いつものように本の読み聞かせをしていたある夏の日。
────琢磨は目覚めた。
「う…、………ぁ…」
長年眠り続けていたせいで声は出せていない。
それでも、咲来は涙を瞳に溜めて笑って言った。
「おかえり、佐波君」ーーーーーー
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