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たえこさんは魔女で、ほうきの代わりに座布団で空を飛ぶ。
江戸時代末期から生きている、年齢不詳、正真正銘の魔女。
推定百五十歳をこえる魔女が現代日本にいることについては、
――目の前で花柄の服をはためかせ、
――座布団で廊下を曲がるおばあちゃん、
というシュールな光景をまの当たりにすると、もうどうでも良くなってくる。
華麗なコーナリングで俺との差をつける彼女を見て、この妖怪飛行ババアめ、と心の中で悪態をつく。
しかし、俺達は別にレースをして遊んでいるわけでは無かった。
たえこさんと俺は今、このビルのオーナーに依頼されてオバケの退治をしている。
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