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それだけの拙い説明でも、全て理解するには十分だった。
「そっか。それじゃあ、ママがお迎えに来るまでおにいさんが一緒にいてあげよう。お腹は空いてない?」
「うん。大丈夫だよ。おじさん」
報酬は先払い。僕はココちゃんを抱きしめた。結果オーライとは言えないが、幾らか落ち着く自分がいる。そしてココちゃんは母親のナヲコみたいに、ヨシヨシと僕の頭を撫でてくれる。
ナヲコ一体きみはこんな小さな子を置いて何をしているんだ。なんて説教などできる立場でないのは、重々承知している。
結局派手な化粧をしたナヲコがココちゃんを迎えに来たのは、夜の十時を回ってからのことである。
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