第1章

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元来が日本には日本狼が存在し、北海道には蝦夷狼が存在した。 しかし、明治期には、北海道では蝦夷狼を毒餌で盛んに殺し(クラーク博士も指導した)日本狼もそのあおりを受けて、昭和10年代の和歌山県の山中での目撃例以後、存在は確認されていない。 日本狼や蝦夷狼に比べると、シベリアやアラスカ狼は少し大きいが、狼が存在する事で、獸害はハッキリ減少すると思う。 動物の子供を生む数は、餌の量で決まるという。 竹や笹の花が咲く時は、ネズミが大量発生すると言われているし、里山の管理が過疎化で不充分になり、大型野生動物のテリトリーが広がっている現状を考えると、現在は天敵が居ないのだから、遠慮無く生んでいるのだと思う。 尾瀬に話を戻すと、捕った数以上に鹿は増えているという。 狼のツガイを百組ほど導入し、人間は敵では無い事を理解させてから完全な野生に戻せば、効果は上がると思うがどうだろう。 朱鷺は、日本の朱鷺は絶滅したが、中国の朱鷺が佐渡の空を舞っている。 熊も猪も鹿も猿もカモシカも、元来が狼は天敵なのだ。 そして、狼は健脚で平気で日に50キロは歩く。 テリトリーが重ならないように、慎重に配置して、GPSでも取り付けていたら、より効率的だと思う。 考えてみれば狼は犬の祖先なのだから、上手く共存出来るはずなのだ。 因みに犬では、狼の変わりにはならないそうだ。 野生の闘争本能が足りないし、人間の生活を学んでしまったから、野犬も楽な獲物を取る傾向が強いとか。 アラスカやシベリアで、時に羆と戦い、トナカイやヘラ鹿等を獲物にしてきた狼一族。 誇り高き彼等に、獸害対策を任せてみたいと思う。
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