番外編 ある日の偶然

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「聡さ、さっき、女の子がかわいかったって言ってたよね?」 さっきは怒っていたくせに、亜海はニヤっと笑いながら言う。 「そうだね」 照れを隠すように、亜海の両頬を摘まんで横に伸ばしながら言った。 「ちょっと、何すんのよ」 亜海が俺の両頬を掴んで思いっきり横へ引き伸ばす。 「痛い」 「聡が先にしたんでしょ?」 「良く伸びるね」 「聡こそ、結構ブサイクだよ」 亜海が手加減なしに摘まんでいるから、そろそろ限界だ。 俺の手が外れると、亜海も手を離す。 「痛って~」 頬が取れるかと思った。 俺が手加減したせいで、亜海はケロっとしている。艶々と血色のいい肌と、たれ目をさらに垂れさせて笑う目元をじっと見た。 そういえば、今までも亜海に似たような人が気になったり、告白をOKしたりしてきたっけ? 「どうしたの、聡?ボーっとしちゃって」 亜海が俺をのぞき込んで言った。黒の割合が多い瞳の中に光が反射する。 「いや、どうりで水はじきそうな肌とたれ目に惹かれるわけだよなーって思っただけ」 「は!?何言ってるの!?」 亜海が思いっきり顔をしかめる。 「あ、ごめん、嘘」 「いや、聞こえたもんね!!水はじきそうな肌って・・・なんか嫌!!」 「嫌って・・」 「聡ってよく私に触るのってそのせい?」 「・・・・悪いかよ」 「やだー!!キモーい!!」 亜海は俺の肩を両手で押した。
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