787人が本棚に入れています
本棚に追加
/453ページ
「聡さ、さっき、女の子がかわいかったって言ってたよね?」
さっきは怒っていたくせに、亜海はニヤっと笑いながら言う。
「そうだね」
照れを隠すように、亜海の両頬を摘まんで横に伸ばしながら言った。
「ちょっと、何すんのよ」
亜海が俺の両頬を掴んで思いっきり横へ引き伸ばす。
「痛い」
「聡が先にしたんでしょ?」
「良く伸びるね」
「聡こそ、結構ブサイクだよ」
亜海が手加減なしに摘まんでいるから、そろそろ限界だ。
俺の手が外れると、亜海も手を離す。
「痛って~」
頬が取れるかと思った。
俺が手加減したせいで、亜海はケロっとしている。艶々と血色のいい肌と、たれ目をさらに垂れさせて笑う目元をじっと見た。
そういえば、今までも亜海に似たような人が気になったり、告白をOKしたりしてきたっけ?
「どうしたの、聡?ボーっとしちゃって」
亜海が俺をのぞき込んで言った。黒の割合が多い瞳の中に光が反射する。
「いや、どうりで水はじきそうな肌とたれ目に惹かれるわけだよなーって思っただけ」
「は!?何言ってるの!?」
亜海が思いっきり顔をしかめる。
「あ、ごめん、嘘」
「いや、聞こえたもんね!!水はじきそうな肌って・・・なんか嫌!!」
「嫌って・・」
「聡ってよく私に触るのってそのせい?」
「・・・・悪いかよ」
「やだー!!キモーい!!」
亜海は俺の肩を両手で押した。
最初のコメントを投稿しよう!