番外編 ある日の偶然

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「キモイって言うなよ」 確かに今のはキモかった。だけど、亜海に拒否られると途端に心細くなる。随分弱くなってしまった。 「しかもたれ目って言ったし!!」 「・・・ごめんなさい」 「たれ目は気にしてるんだぞ!!」 「でも、俺はかわいいと思います」 「・・・・・じゃあ、許す」 あぁ、許すんだ。 亜海を見やると、真っ赤な顔をして、指をいじっていた。 亜海の方へ移動して、抱き着いてやった。 温かな身体を抱きしめて、自分の頭を亜海の肩へ乗せる。 最近はどうしたら毎日亜海と一緒にいられるかを考えている。 そんな方法一つしかないのだけど。 両親のこともあるから、結婚願望とか全くなかったのに。人って変わるものだ。その変わり具合に自分が一番驚いている。 「聡はあったかいねー」 亜海が俺の背中をポンポンと叩く。 さらにぎゅっと抱きしめた。離れがたいのはきっと俺の方。 「亜海。したい」 「え?昨日もしたよ?」 「今日もしたい」 「ここんとこ、毎日してるじゃん」 「一昨日はしなかったから毎日じゃない」 「・・・・」 「ダメ?」 「ダメじゃない」 亜海の赤みのさした唇に、自分のを重ねた。 柔らかさが脳を刺激して、昨日の続きをしようと欲情してくる。
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