800人が本棚に入れています
本棚に追加
自己紹介に席替え。
合コンは、滞りなく進んでいく。
その中で、一人の男性が目に留まった。
全く笑わず、全く楽しそうでなく、つまらなさそうにしていて、それでも、茶髪に近い髪と、淡い色の瞳はそこにいる女子を惹きつけてやまなかった。
彼は一杯目のビールを飲み終えたらしく、二杯目はジントニックを飲んでいた。
って、私もジントニック飲んでるよ。
ビールより酎ハイ派の私はライム系のお酒が大好きなのだ。
「ジントニック、好きなんですか?」
私は彼に話しかける。
「・・・・・あぁ」
あ、会話、弾まない系ね。
邪魔してごめんなさーい。
末っ子キャラの私は、どんな人とでも打ち解けられるので、友人が連れて来た会社の同僚の女の子と幹事の男性と盛り上がっていた。
人数合わせで呼ばれたのかな?お気の毒に。
私が彼に対して思ったことはそれだけだった。
気にせず、学生時代のノリを思い出してひたすら気分転換をしていた。
今日は金曜日だから、海里は会社の飲みだと言っていたし、お兄ちゃんも残業だろう。
ただの合コンだと思っていたのに大いに盛り上がって、終電が迫っていた。
幹事の男性と、友人の同僚とメールチャットで連絡先を交換して帰路についた。
暑くて脱いでしまったスーツのジャケットを手に持って、自分の家の方向の線を目指す。
誰も、こちらの方向はいないようだ。
さぁ、早く帰ろう。
最初のコメントを投稿しよう!