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水温を限りなく水に近いお湯にして、汗を流した。
まぁ、汗まみれの女など抱きたくないだろうし、我が物顔でシャワーを借りる図々しさも板についた。
蛇口を閉めて洗濯機の上にストックされているバスタオルで手早く拭いて、身体に巻き付けた。
そのままの恰好でキッチンへ行き、
「開けるねー、はいどうぞー」
と独り言を言いながら、冷蔵庫を開け、先ほど買った飲み物を片手に8畳のフローリングの部屋へ入った。
「うわ!めっちゃ涼しいじゃん」
シャワーを浴びてもなお汗ばむ肌に心地よいクーラーの冷気を全身に感じた。
「お前、その恰好・・・・」
あきれ顔の家主はベッドに寝ころびスマホのゲームをしている。
「どうせ脱ぐんだし、いいでしょ?」
悪びれもせずそう言って、ベッドに座り、ペットボトルを開けた。
「今日は、残業じゃないんだ」
と、続ける。
夏の水分補給にふさわしい半透明の液体を体内に流し込む。
うぅー、生き返る。
「金曜くらい早く帰りたいだろ?」
「そうね」
しばらくどうでもいいようなことを雑談していたが、私の汗が引いたころ、男はベッドから起き上がってスマホをテレビ台の上に置いて、
「そろそろ、いい?」
と言った。
ペットボトルの蓋を閉めてローテーブルに置くと、男に押し倒された。
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