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優しく俺のナカを解してくれる空だったが、俺はそんなものいらなかった。
痛くてもいい。
身体に空を刻んでもらえるならば痛みなど逆に喜ばしいくらいだ。
「…っぁ、そ、ら…、」
俺は俺のナカに入っている方の腕を掴んで、空の名を呼ぶ。
空はどうしたの?と首を傾げて優しい瞳で俺を見た。
「…ぃいから、」
「何がいいの?」
「いい、から…解さなくて、いいから…空が、欲しい…」
「解さなきゃ痛いよ?
春に痛みとかあげたくない。気持ちよくなってほしいんだよ」
空が俺の事を考えてくれていることは分かっていた。
でも、今の俺には痛みくらいが丁度いいのだ。
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