3人が本棚に入れています
本棚に追加
交換
デジャブか?
……いや、この流れすらさっきあった気が……
いやいや、てか僕はここに…………
「来てくれた、んですね……」
「へっ? ……えっ!」
彼女の名前を訊きにここまで走った日と同じ。
後ろから聞こえた少女のような可愛らしい声に驚くと、茜空を背にした歩が立っていた。
頬が赤いのは、空のせいだろうか。
「も、もう……来てくださらないかと……」
「あっ、す、すいません! ほんとにっ……」
ちゃんと謝らなきゃ……!
途中で勝手に帰ってしまったこと。
衝動的に、抱き締めてしまったこと……
思い出すと、僕の顔もカァっと熱くなった。
とても悪いことをしたのに、後悔しているのに、忘れられない歩の温もり。
「わたしも、ごめんなさい」
最初のコメントを投稿しよう!