交換

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デジャブか? ……いや、この流れすらさっきあった気が…… いやいや、てか僕はここに………… 「来てくれた、んですね……」 「へっ? ……えっ!」 彼女の名前を訊きにここまで走った日と同じ。 後ろから聞こえた少女のような可愛らしい声に驚くと、茜空を背にした歩が立っていた。 頬が赤いのは、空のせいだろうか。 「も、もう……来てくださらないかと……」 「あっ、す、すいません! ほんとにっ……」 ちゃんと謝らなきゃ……! 途中で勝手に帰ってしまったこと。 衝動的に、抱き締めてしまったこと…… 思い出すと、僕の顔もカァっと熱くなった。 とても悪いことをしたのに、後悔しているのに、忘れられない歩の温もり。 「わたしも、ごめんなさい」
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