交換

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何を謝られているのだろう? 僕は棒立ちになってしまった。 そんな僕の前に、一枚の書類がおずおずと差し出される。それを、僕も恐る恐る受け取った。 解雇契約書……とか? と、思ったが、その前に僕は。 「わ、わたし、一さんが働いてくれると言ってくださって、舞い上がってしまって……こちらを書いていただくことを忘れていました」 雇用契約書、をまず書いていない。 「申し訳ありません」 歩がバッと頭を下げると、彼女の髪はサラサラと音を立てて風に舞い、自身の撫で肩をゆるやかに流れていった。 僕は、それに見惚れていた。 「あ、あの……ここで、働いてくれますか?」 そして僕は、少し笑った。
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