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衝動
晴真と夕飯を食べてから、歩との距離を変に意識してしまっていた。
そうだよなぁ……僕と彼女は、バイトと店長ってだけで……
この『ななし書堂』にあった「タイトル」という本がキッカケで出会っただけ。繋がりらしいものもない。バイトと店長、ただそれだけの関係。
そう思うと、なんか……さみしいというか、この先なんもないのがこわいというか……
SNSをあんまり使わない僕だが、というか連絡を取り合うほど仲の良い友人がそんなにいないから使わない、この時ばかりは気軽にやり取りできるツールがほしくなった。
いや、でも気軽って……それができる相手か?
気づけば、歩が頬を染め、僕をちらちらと見ている。
が、ずっと見詰めていたのは。
「あ、あの、一さん、……何か……?」
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