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後悔
「ぁああぁ……くそぉ~……」
泣きたい。
と、思ったら、急に腹立たしくなる。
歩を抱き締めた後、僕は退勤時間の前にも関わらず、逃げるように『ななし書堂』を出てきてしまった。
今後、戻れるのだろうか……?
誰かのせいしたい。もし過去に戻れる本があるなら、あの後探し回れば……
いや、あの後はそれどころじゃなかった……
歩の可愛らしく、戸惑う声が、まだ耳奥で囁いている気がする。
『は、は、じめ……さん、くるしい』
そんなに強く抱き締めてたのか。
体、細かったなぁ。
ふと思い返して、また。
「あぁあ! なんであんなことをぉ……! 僕の大バカ野郎がっ……!」
後悔が徐々に怒りへと変わり、矛先は自分のはずだが、僕はスマホを取った。
【おまえが変なこと言うからだ!】
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