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「ぶはっ…アーッハッハ…
な、何オマエ。熱でもあんの?」
まだ話の途中だというのに、ハヤト君はお腹を抱えて笑い出した。
挙げ句、私の額に手まで充ててくる。
結婚が決まってからというもの、恥ずかしながら私は友人に幾度となく、彼の自慢をしているが…
悲しいことに、今のところ誰にも信じて貰えない。
「本当だってば!ホラ見て、写真だって…」
私はついムキになり、スマートフォンを取り出した。アルバム帳を探りながら、途中でハタと手が止まる。
そういえば、これまで二人で撮った写真など一枚もない。
「ほ、ホラ」
仕方なく、半年前の忘年会でフザけて撮ったカラオケの写真を見せる。
「ハイハイ。嘘ついてもダメ」
「う~~」
ハヤト君はチラッと画像を見た後、頭をポンポン軽く叩いた。
ダメだ。キメ顔の彼の後ろで変顔しているこの写真じゃあ話にならない。
私達、やっぱりよっぽど釣り合わないのかな…
落ち込みが復活し始めた時、彼が意外な事を言った。
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