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「でも、まあ良かったじゃないか。
話は多少盛りすぎにしても…さ。
トーコがそこまで言うからには、よっぽどソイツが好きってことさ。おめでとう」
「ハヤトくん…」
昨今、悩んでいたさ中である。
その言葉にウルッときた私は、2年間一緒に暮らした気安さから、つい言わずの事を彼に愚痴ってしまっていた。
「あのね、その事なんだけど…実は…」
_________
彼は再び、大声で笑った。
「ぶっ、アーッハッハ、ハハハ…」
「笑い事じゃないんだからっ!
私はね、真剣に悩んで…」
ワタワタと手を振る私に、彼はまだ笑いながら言った。
「そうそう、オマエ、昔っから色気なかったもんな~。ムネでかいのに残念だよな、言動とか」
「そ、そうかな?」
「まあでも、俺にとっちゃ良かったよ?
楽だったし」
「ら……く?」
ウン。
私の言葉に頷いた彼は、胡座を崩して足の指を弄びながら、しみじみと語ってくれた。
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