3 過去からの来訪者

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「だからさ、その人もきっとそうなんだよ。  外じゃおべっか使って愛想振り撒いて…女の子にもお世辞ゆってさ。  家でも同じ事やってらんないだろ?  お前の場合はホラ、何ていうか…小動物に癒される感じ?」  小動物…  そうか、あの、毎晩の『頭ナデナデ』は、ペット的な感覚だったのか。 ……あれ?  でも、昨夜の『キラキラスマイル』は?  私の経験上、アレは オオカミさんの “外面” って気がするんだけど…  新たな疑問を抱きかけた時、ハヤト君はばつが悪そうに頭を掻いた。 「あのさ、『勝手だ』って、言われると思うけど」  息を継ぐ。 「お前と別れる時、俺『遊びたいからだ』っつったけど。本当は、まずは仕事頑張りたいってとこがあったんだ。  ほら、就職だって結局、お前のが良いとこ受かったじゃん?  俺も男だし、負けたくないって気持ちもあってさ…  オマエにはホント、可哀想な事したよ。ゴメンな」  彼は胡座をかいたまま、ぐっと頭を下げて謝った。 「ハヤト君…」 「トーコはな、のんびり構えていればいいのさ。 その人だって、仕事が落ち着いたらそのうち…な?」 「…ん、そうだね…」  懐かしい人の優しい言葉は、沈んでいた私の心をじんわりと温かく癒していく……
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