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『君を大事にしたいから』
__結婚するまで
そういういのはナシにしよう、な?___
新幹線で新居に来た最初の夜、彼は私に微笑みながらそう言った。
準備万端を整え、ばっちり勝負下着で臨んだ私は、“あれ?” と拍子抜けしたものだ。
以降、彼は本当にナニもせず、ダブルベッドで毎晩添い寝。私が眠ってしまうまで、ずっと頭を撫でてくれている…
「オオカミさん」
「ん、何だい?」
キラキラ笑顔で見下ろす彼。
するとつい、お腹の奥がきゅんとなって、
「オオカミさぁんっ」
思わず彼の胸に飛び込み、顔をグリグリと擦り寄せる。
「ば、バカっ、止せっ」
でも彼は、そうすると慌てて私から離れてしまう。
「ホラ、バカなことは止めて。もう寝なさい」
照れてるのか、少し赤い顔をして、軽く額に口づけする彼に、私はいつも少しつまらなそうに返事をするのだ。
「はぁい…」
赤野燈子、
もとい、大神燈子。
只今シアワセ真っ最中___
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