1 君を大事にしたいから

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『君を大事にしたいから』 __結婚するまで  そういういのはナシにしよう、な?___  新幹線で新居に来た最初の夜、彼は私に微笑みながらそう言った。  準備万端を整え、ばっちり勝負下着で臨んだ私は、“あれ?” と拍子抜けしたものだ。  以降、彼は本当にナニもせず、ダブルベッドで毎晩添い寝。私が眠ってしまうまで、ずっと頭を撫でてくれている… 「オオカミさん」 「ん、何だい?」  キラキラ笑顔で見下ろす彼。  するとつい、お腹の奥がきゅんとなって、 「オオカミさぁんっ」  思わず彼の胸に飛び込み、顔をグリグリと擦り寄せる。 「ば、バカっ、止せっ」  でも彼は、そうすると慌てて私から離れてしまう。 「ホラ、バカなことは止めて。もう寝なさい」  照れてるのか、少し赤い顔をして、軽く額に口づけする彼に、私はいつも少しつまらなそうに返事をするのだ。 「はぁい…」  赤野燈子、  もとい、大神燈子。  只今シアワセ真っ最中___
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