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乾かした髪を二つの三つ編みに結ぶ。高校生になったらやってみたかった髪型その1である。
「おはようございます。」やば、裕ちゃんだ。
慌てて制服を着る。鏡を見る。視界にあるものが…。
そうだ、高校生になったんだからお化粧を買ったんだ。といっても、ファンデーションとリップくらいなんだけど。
うっすらファンデーションをつけ、リップをつける。うん、完璧。
「姉ちゃん。兄ちゃん待ってるよ!」椿に呼ばれて階段を降りる。
「おはよう、お待た…。」
裕ちゃんは黒の学生服に身を包んでいた。中学までのブレザーとは違い、凛としている。裕ちゃんは、背が高い。すでに180は越えているだろう。ダメだ、かっこよすぎだよ。
「おはよう、月島さん。」
「あっ、おはよう、嶋田君。」裕ちゃんの挨拶に我に返った私は挨拶する。
「…。」
「…。」
お互いの姿を見て無言になる二人。
裕ちゃんはどう思ってくれてるのかな?
女子の制服は黒のブレザーである。男女とも黒が第一高校の伝統だ。
よし、頑張れ私。
自分を奮い立たせ、両手でスカートを摘まんで、お嬢様挨拶をする。
「どうかな?私の制服?」
「…。」裕ちゃんは固まっている。
しまったぁー。私やっちゃった?
泣きそうになる私に、裕ちゃんは少し顔を赤くして、視線を反らしながら「似合ってる。可愛いよ。」って言ってくれた。
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