過去ルート。高校生

3/11
前へ
/11ページ
次へ
乾かした髪を二つの三つ編みに結ぶ。高校生になったらやってみたかった髪型その1である。 「おはようございます。」やば、裕ちゃんだ。 慌てて制服を着る。鏡を見る。視界にあるものが…。 そうだ、高校生になったんだからお化粧を買ったんだ。といっても、ファンデーションとリップくらいなんだけど。 うっすらファンデーションをつけ、リップをつける。うん、完璧。 「姉ちゃん。兄ちゃん待ってるよ!」椿に呼ばれて階段を降りる。 「おはよう、お待た…。」 裕ちゃんは黒の学生服に身を包んでいた。中学までのブレザーとは違い、凛としている。裕ちゃんは、背が高い。すでに180は越えているだろう。ダメだ、かっこよすぎだよ。 「おはよう、月島さん。」 「あっ、おはよう、嶋田君。」裕ちゃんの挨拶に我に返った私は挨拶する。 「…。」 「…。」 お互いの姿を見て無言になる二人。 裕ちゃんはどう思ってくれてるのかな? 女子の制服は黒のブレザーである。男女とも黒が第一高校の伝統だ。 よし、頑張れ私。 自分を奮い立たせ、両手でスカートを摘まんで、お嬢様挨拶をする。 「どうかな?私の制服?」 「…。」裕ちゃんは固まっている。 しまったぁー。私やっちゃった? 泣きそうになる私に、裕ちゃんは少し顔を赤くして、視線を反らしながら「似合ってる。可愛いよ。」って言ってくれた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加