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「いいなぁ、私も後ろに乗せてほしい。」
茜ちゃんはいつも羨ましがっている。
「馬鹿が、お前を後ろに乗せるたらその方が遅くなるだろ。月島さんは運動馬鹿のお前とは違うんだぞ。」
「ぶぅ、ゆうの馬鹿!」プンプン怒りながらスピードを上げる。
うん、確かに私では無理ね。でもね。茜ちゃん。この場所は貴女にでも譲れないよ。私は裕ちゃんにぎゅっとしがみつく。こうして、なんとか入学式には間に合ったのである。
第一高校には1組~10組と成績上位30位までのS組がある。私と裕ちゃんはS組。
なお茜ちゃんは特別入試で合格している。将来有名になれる芸を持つ特別入試枠があり、茜ちゃんは将来の歌姫候補筆頭として合格したのだ。クラスは10組になる。
教室に入ると、男女からの冷たい視線。
私は裕ちゃんの背中に隠れる。
「おはよう。」正座10人衆の岡崎君が声をかけてきた。10人衆は太一君と茜ちゃん以外はS組だ。なお、太一君はサッカーの強豪四日市第四工業に入った。
「おはよう、岡崎。…。なんか俺やったかな?」
「そりゃ超絶美少女を後ろに乗せて、学校のアイドルと3人で登校したからだろ。」岡崎君が笑いながら教えてくれた。
じゃあ私は?
「そりゃ、男子人気一番の自転車の後ろ独占してんだからしょうがないね。」
同じく笑いながら岡崎君の彼女さんである菊池佳菜子ちゃんが教えてくれた。
貴女達のように恋人同士だったらいいけどさ。裕ちゃん私の事どう思ってるのかな?
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