第三話

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 突然空気がまっぷたつにされた。後方の入口で仁王立ちしている先生の姿に、背筋がつる勢いで伸びる。 「す、すいません! もう帰ります!」 「ちゃんと電気消して、窓の鍵も閉めておけよ」  細く長い溜め息をつきながら視線を戻して……サチの姿がないことに気づく。 「あれ、サチ?」 「ごめん、ここよ。私、そろそろ帰るね。邪魔しちゃってごめんなさい」  声は、彼女が教室に入ってきた方向から聞こえた。ドアを壁にして手だけを出し、ひらひらと振ってすぐに引っ込めてしまう。 「お、おい!」  よかったら一緒に帰ろう。  喉まで出かかっていた誘いは、無情にも押し戻されてしまった。
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