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種明かしを受けたサチの視線は、手の中のスタンプ台紙とこちらの顔を曖昧に往復していた。
彼女の内心を代弁するなら、喫茶店より楽しいのか? といったところだろう。
「喫茶店かと思ったら、スタンプラリーなんだね」
一見、地味なスタンプラリー企画。
けれど、これは他でもない、サチへの贈り物だった。一生の思い出に残る文化祭にしたいという気持ちを込めて企画した。
サチから孤独を取り去ってあげたい。
マイナスの感情を、少しでもプラスで塗り替えてあげたい。
「結城くんのヒントをもとに、校舎内にあるスタンプ台を見つける。で、押していく。これでいいのね?」
「そう。スタンプは全部で二十個。制限時間は文化祭が終わるまでな」
それでもいまいちテンションの上がっていない素直なサチに苦笑して、とっておきの情報を解禁することにした。
「四個ごとに、おまけ用意してあるから」
「……ずいぶん、大盤振る舞いしてくれるのね」
ようやく、サチの瞳に光が灯った。
「四個目、あそこね!」
なんだかんだで、宝探し系は冒険心をくすぐるらしい。サチのテンションが少しずつ上がっていて嬉しさ半分、安堵半分といったところだ。
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