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「カ、カオル、ちょっと」
「だめ、やめないで」
カオルは軽く抗議してから薬を飲み込み、再びキスをしかけてきた。同時に彼の指は僕のシャツに伸びて、器用にボタンを外していく。
「カオル、カオル? 何す――」
「オレ、ほんとに寒いんだ」
「はぁ?」
「あっためてよ、センセ」
遭難しそうになった時には服を脱いで温め合うといいんだって。ドラマで観たよ――そう言いながら、カオルは自分もダウンやセーターをどんどん脱いでいく。
いかん。だめだ。これは友達の弟だ。弟ってことは男だし、しかも病人だぞ!
僕は必死に自分に言い聞かせる。だがソファに横たわるカオルの肢体を見た途端、哀れな自制心はこっぱみじんに砕け散ってしまった。
――ああ、やばい。
細い身体には薄く筋肉がついていて、曲線もふくらみもないのに、どうしても視線を剥がすことができなかった。
男を抱いたことなどない。当然、やり方も手順もよくわからない。けれど気づいた時には本能のおもむくままカオルを抱きしめ、小さくとがった二つの乳首を交互になめていた。ほっそりした、しなやかな身体は舌が動くたびにピクピクと痙攣する。
荒い呼吸、悩ましげに寄せられた眉、大きくのけぞる細い喉。確かに僕のつたない愛撫に反応してくれている。腹筋に沿って指をすべらせていくと、カオルの雄はすでにしっかりと勃ち上がっていた。
「センセ」
カオルがせつなそうに僕を呼ぶ。
「どっちがいい? オレがいれるのといれられるの」
いれるとかいれられるとか……しらふの時には絶対に答えられそうもない質問だ。だが僕はカオルの右の耳たぶにキスしながら、はっきり答えた。
「僕がいれる」
「それ……うれしいな」
カオルはうっとりした表情で目を閉じた。それからすべてを僕にまかせるように大きく足を開く。何がどうしてこうなったのか自分でもよくわからない。だけど、もう進むしかなかった。たとえ他に何人ライバルがいようと、今夜、このクリスマスイブだけはカオルは僕の恋人だ。
いくら経験がなくても、カオルを傷つけたくはない。キスをしながら周囲を見回し、救急箱の中にあったワセリンを探し出した。左手でカオルの性器をいじりながら、胸元から股間へと少しずつ顔をずらしていく。はりつめた茎に舌を這わせ、右手にワセリンをたっぷり塗りつけた。カオルの秘処を侵略するためだ。
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