第三章 その2 独裁王、ホークアイ

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 第 六 章  愛する者とひとりになる  「アタイと群青(ジョー)が 融合すればどうなるの?」 心細げに翠蘭が洩らす。 青い瞳と緑の瞳が 融合してホークアイの黄金色と対決する。 「アタイはいや!!群青(ジョー)とひとりの人間になるなんて いや!! ひとつになりたいほど好きだけどひとつになってしまったら アタイという人間が群 (ジョー)の中に入り込むってこと!? アタイは 外から群青(ジョー)を見つめて愛したいの」 「翠蘭……俺だって そうだがこれしか方法は無いらしい。堪えてくれ」 「どうしても~~??」 群青(ジョー)を心から愛していると、この時になって気づいた翠蘭だ。 愛する者と一体化――――それは  至上の幸せのようでもあり、複雑な心境にならざるを得ない。 別の個体として 愛する相手を見ることができないのだから。 「じゃあ、教えておくれよ。どうして そんなことまでしてホークアイってヤツを倒さなければならないのか」 「お前は 一度、ちやほやされて 優しいオジサンくらいにしか思ってないだろうが、 あいつは慈善家を装った人非人だ。いや……人なのか?」 あの、落下した燃え盛る隕石の前に立ちはだかった大男。普通の人間ではあるまい。 「それは 俺が説明してやろう」  青年の姿のグラナートが 現れた。 「一度、ホークアイと闘って判ったことがある。あいつは琥珀を欲しがっている。 遥か昔、オッドアイが大量に産出していた琥珀を。琥珀があいつのエネルギーだ。 いや、もしかして、琥珀の邪精なのかもしれない。しかし、与えてはならん」 グラナートの表情は 厳しくなった。
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