第三章 その2 独裁王、ホークアイ

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第四章 その1  信じてもらえない アンバニアの長い話は 終わりに近づいたようだ。 「ワシは愛する者と 死力を尽くして戦った……。 ホークアイを討ち、オッドアイの国には 平和が戻った……」 群青(ジョー)が じれじれと組んでいた脚を揺らせながら  「婆さん、いったいいつの時代の話をしてるんだ??」 「さあ、あれから 何千年、いや、何万年の時が流れたか……」 「悪いがヒマつぶしなら 婆さん仲間とやってくれ。俺は忙しい」  群青(ジョー)は 部屋から出ていこうとした。  翠蘭の首根っこをしょっ引いて 下町の喧騒の中へ戻っていく。 「いきなり、信じろと言われても無理はないのう」 老婆は 深々とため息をついた。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 翠蘭を元のストリートチルドレンの住みかに連れ帰るまでに群青(ジョー)の顔には  いっぱい引っ掻きキズができた。 目にも一撃喰らったので、左目の周りには青アザが。 「どうしたんだ、翠蘭。こんなに凶暴になっちまって」 「ホントに凶暴なのは お前の方だろ、群青(ジョー)!!」 「俺は昔からのまんまだ。仲間と生きてきた。仲間を裏切ったこともなく売ったこともないぞ!!胸を張って言える!!」
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