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第四章 その2 翠蘭のブルーの瞳
「よくも、そんなこと……、騙されるんじゃないぞ、みんな!!」
翠蘭は仲間に向かって 群青(ジョー)のあること、ないこと、並べ立てた。
「アタイたちは 平等な分け前を与えてもらっていない。どうにか生きるために奪ってきた食料は大半、群青(ジョー)とその取り巻きが自分のものにしている。
この前、仲間が軍にしょっ引かれたのも 群青(ジョー)のせいだ」
「翠蘭、お前、俺が軍に隠れ処を密告したとでも??」
「そうじゃないのか!?アタイは 全部、知ってるぞ!!」
いつも 従順な妹のように、巣立つ前の小鳥のように従順な
翠蘭とは思えないほど猛り狂っていて、本人とは思えない。
「翠蘭、落ち着け。ホークアイから何を聞いたか知らんが、みんな口から出まかせだ」
彼女に殴られた眼から、今頃、ポロリと何かが落ちた。
ブラウンのコンタクトレンズだ。剥がれ落ちた瞳は見事なブルーだ。
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