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龍一がゆっくりとドアを開けると、敵がまさしく、腰から銃を引き抜こうとしたその時だった。
とっさに腕を伸ばして手首を掴む。
銃口が下を向いて止まる。
間髪入れず繰り出した龍一のナイフは、敵の眼前で止められた。
室内にいたのは見上げるほどの大男だ。
龍一のパワーをいとも簡単に止める。
互いの腕をつかみ合って、つかの間、固まった。
龍一を押し込めるように繰り出された膝は、同じように膝で受け流した。
バランスを崩したのを機に、敵の銃口があがり、龍一の顔面を狙ってくる。
しかし、とっさに横に体を捻りながら、手刀で銃をたたき落とした。
腕を振り回した大ぶりのパンチは、頭をさげてかわすが、瞬間、
「うぉおおおお!」
体当たりでぶつかってこられ、体ごと抱え上げられて龍一は、部屋の奥へと運ばれる。
壁に背中を強打して、
「……ぐっ」
うめき声が漏れる。
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