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ねずみ色の空から、白い花びらが舞い落ちてきた。昼過ぎに雪になるという天気予報が、珍しく的中したらしい。屋上のコンクリートがうっすら雪化粧を始めた頃、六階のエレベーターがチンと鳴って止まった。屋上への階段を、ゆっくり上る靴音が響いた。
俺は罠をまたいで屋上に出ると、涼香が姿を現すのを両手を広げて待ち受けた。
だが現れた人物は、涼香ではなかった……。
【終】
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