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福は、門から出て来た蓮に大きな声で挨拶した。
久しぶりに見る蓮は、もう大人の顔になっている。
背も伸びて、肩幅も広くなって、もう福が覚えている小さな蓮ではなかった。
小さい頃、蓮はよく福達の家に遊びに来た。
そして、ベッドに横になっている福に、蓮はいつも面白い話を聞かせてくれた。
ある時は、蓮の家の庭に咲いている綺麗な花を勝手にちぎって持ってきてくれたり、ある時は、駄菓子屋で買ったにゅるにゅるのグミをよく持ってきた。
福は、そんな蓮が大好きだった。
「幸? 何してんの、こんな朝っぱらから」
蓮は半分面倒くさそうに、そう幸に話しかけた。
でも、間近で幸を見た蓮は、驚いて二度見する。
「どうしたの?
なんかイメチェンした?」
そこに立ってる幸は、蓮が知っている幸じゃない。
メガネを外した幸は、見違えるほどに可愛らしい。
「イメチェンなんかしてないよ。
れんれん、お久しぶり」
れんれん??
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