さようなら、また明日…

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蓮の自転車はスイスイと進んで行く。 後ろに乗っている幸を気にかけながら颯爽と。 夜の九時を過ぎた運動公園は街灯の灯りがあるだけで、ひっそりとしていた。 蓮は補助グランドの横にある芝生の広場に入り、そこにレジャーシートを敷いた。 携帯の灯りがないと幸の顔もよく見えない。 「幸、ここに座って」 蓮は幸の手を取り、レジャーシートの上に幸を座らせた。 そして、自分も幸の隣に座る。 「なんか、星出てないよな」 蓮はスマホで天気予報をずっと見ていた。 「れんれん、星なんか出なくも全然いいの… こうやって、れんれんが私のためにしてくれたことが本当に嬉しい」 それでも、蓮はスマホを見ている。 「なんかさ、夜中の12時過ぎたら晴れマークが出てんだけど、そんな遅くまでいれないもんな」 幸は蓮に寄りかかった。 「いいの、今のこの時間が本当に嬉しい…」
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