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「幸、ただいま」
福は眠りに落ちて、幸と共有できる深い場所にたどり着いた。
「幸、いるの? 幸?」
福は、不安になっていた。
私が幸の体を借りている間、幸は頭の片隅で私の行動をずっと見ていると神様から教わった。
でも、もし、そうじゃなかったら?
「幸?」
「おかえり、福」
「よかった~ 幸がいなくなったと思ったじゃん」
幸は、疲れ果てていた。
ずっと、福の冒険物語の映画を見ているようだったから。
「福、なんか大変な事になってるけど、大丈夫?」
「私は、全然平気なんだけど、でも、幸が困ってないかって、なんだかそれが気になっちゃって」
福は、幸の体を借りている。
幸の人生のほんのつかの間の時間をもらっているだけなのだ。
「いいよ。気にしないで大丈夫。
今日、ずっと自分の目で福の一日を見させてもらった。
ハラハラドキドキの連続だったけど、でも、凄く楽しかったんだ」
幸は、自分の体を貸しているという実感があまりない。
でも、幸の目に映る、福の一途で健気な頑張りがとても胸に響いた。
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