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「でも、勝手にバイト始めちゃったり、かけっこの選手になったりさ。
あ、ゆき、そういえば…
安藤拓巳って子とどういう関係なの?」
「あ、拓巳? どういう関係って?」
「彼氏とか?」
「あ、それはない。ただの友達だよ」
「向こうは、きっと、幸の事好きだよ。
幸は違うの?」
「ただの友達だよ。
恋愛感情なんて全然ないから」
福は、安心した。
福の蓮と恋人になるためのミッションはもう始まっていたから。
「福、私の体、好きに使っていいよ。
私は、福の物語を、映画を観るみたいに楽しむから」
「幸、ありがとう」
幸は、こんな不思議な出来事が自分の身に起きていることが、いまだに信じられずにいた。
でも、福に会えた喜びは、何ものにも代えがたい最高の贈り物だ。
「幸、明日に備えて、何か言っておきたい事がある?」
「あ、部活には顔を出してほしいことと、それと、かけっこ走るにしても、幸の体は運動不足で筋肉も体力も何にもないからね」
「え~、幸、昔は足が速かったじゃん」
「昔はね」
「それと、部活って何部なの?」
「それは…
漫画研究部、よろしくね」
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