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福は、今朝も、蓮の家の前で蓮を待った。
昨日、幸にあまりしつこくしたら嫌われるよと言われたけれど、でも、やっぱり蓮に会いたい。
私には時間がないんだもの、一分でも一秒でも蓮と一緒にいたいだけ…
蓮は、玄関のドアを開けるのが怖かった。
幸の事は嫌いじゃない。
むしろ、好きな方に入るくらいだ。
でも、昨日からの幸は俺に対して執着がひど過ぎる。
絶対、居るだろ?
このドアの向こうに。
いや、きっと、俺が自意識過剰なだけかもしれない。
幸は、もう学校に行ってるよな? きっと、そうでありますように…
「れんれん、おはよう」
ほら、やっぱりいた。
「あ、おはよう、今日も俺の事待ってたんだ…」
福は不愛想な蓮の顔を見て、幸の言葉を思い出した。
「迷惑だった?」
蓮は、朝早くからドギマギしている自分に腹を立った。
だって、ちょっと落ち込む幸の顔は、昔買ってた子猫を思い出す。
幸って、こんなに可愛かったっけ?
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