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対決(2)
解放された賢一は合点が行かなかった。
来年家族が増えるってどういうことだ?
知った顔が視界に入り、彼はその人物の
ほうを向いた。光弘だ。視線が合うと彼は
軽く右手を上げた。ボイスレコーダーを
持った記者に取り囲まれ始めていた賢一も
光弘に向かって手を上げて応えた。
一方、アリーナ席でインタビューを聴いて
いた理美はインタビュアーの言葉に憤慨
していた。
「ちょっと、どーいうことよ。何で
メディアが知ってるの。」
「俺じゃないぞ。」
「わかってる。」
「おまえの怒りを買うと後が怖いって
知らない奴の仕業だよ。」
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