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「何だ、お前は?」
指揮官の問いかけに校長が答えた。
「我が校の生徒会長です」
「生徒会長か?
お前は今俺に「止めろ」と言ったが、お前は政府が行っている祖国の文化振興政策に異を唱えるのだな?
分かった」
指揮官は首からぶら下げている無線機を手にして、無線機の向こう側にいる者達に命令を下した。
「文化振興政策に異を唱える者達がいる。
全部隊突入しろ!」
分散して待機していたのだろう、高校の周りからパトカーのサイレンと共に、大音響で行進曲の歌声が流れ出る。
おお晴朗の朝雲に~
そびゆる富士の姿こそ~
金甌無欠揺るぎなき~
我が日本の誇りなれ~
パトカーと共に高校を包囲した迷彩塗装されたトラックから、迷彩服にヘルメットを被り透明なプラスチックの盾と先端にスタンガンが装着された警棒を手にし、ガス銃を背負った男達が次々と下車、隊列を組み、巻き込まれるのを恐れて高校の敷地外に逃げようとする人達を校内に押し戻しながら、高校の敷地内に突入して来た。
指揮官が自分の下に駆け寄って来た重装備の男達に、自分を睨んでいる生徒会長とその後ろにいる運動部のユニフォーム姿の男女を指差し命令を下す。
「再教育の必要がある、全員検挙」
続いて屋台を指差し命令を続ける。
「我が国の食べ物以外の屋台を全て撤去し、屋台の責任者を取り調べる為同じように検挙しろ。
そいつらを庇ったり検挙を妨害したりした奴らも検挙だ」
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