97人が本棚に入れています
本棚に追加
そこには空間という空間が、大きく口を開けていた。
天井は廊下の天井の高さからは考えられないほどに高く、見上げると頭上にはありとあらゆる管が張り巡らされている。
並んだ机の上には何やら特殊な機械がたくさん並んでおり、それぞれが音を出して稼動していた。
その傍では研究員が忙しそうに動き回っている。
『凄い…』
『ワーナー様は、ここへいらっしゃるのは初めてですか?』
ワーナーと呼ばれているのにも関わらず、それに気づかず機械に見とれているラギに、レニーがどついた。
『いでっ』
『ここに来たのは初めてかって聞かれてるよ。ワーナーくん?』
そういうレニーの顔は、今までに無く穏やかなものだったが。
同時に感じたこともないような殺意も感じとり、ラギは震え上がった。
『すみません…初めてで、つい見いってしまって…』
『い、いえいえ…大丈夫ですから、お気になさらず…。』
レニーの殺気を感じ取ったのか、心なしかハンナも緊張してしまっているようだった。
仕方あるまい、彼女だって担当が代わって、ディターミナの団員と関わるのは初めてなのである。
それに気づいたレニーは、しまった、と思ったけれど、時は既に遅し。
奥から出てきた人物が、話に入ってきたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!