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『あれ?アーノルド君じゃない。今回はジャリル君が担当してくれたって聞いてたんだけど。』
『今日はジャリルの代行でお届けに参りました。
お久しぶりです、ラザフォード博士。
』
ラザフォード博士
そう呼ばれた初老の、お腹の豊かな男性は久しぶりだね、とレニー返す。
そしてレニーの隣に立っているラギにおやおや?と興味を示した。
『その子は?』
『彼はラギ・ワーナー。最近見習いを卒業したばかりの新人です。』
『なるほど、新しい子か。
なら私も自己紹介しなくてはね。
マドック・ラザフォードだよ。よろしく。』
『はい、よろしくお願いします!』
ラギはペコリ、と頭を下げたが、ラザフォードは軽くうなずくと、すぐにレニーの方へ向き直り、本題へと入った。
『で、例のものもってきてくれたんだよね?』
『はい。確認していただいてもよろしいですか?』
『もちろんだとも、ささっ、こっちへ持ってきておくれ。』
そう言ってラザフォードはレニーを連れて部屋の奥まで連れていく。
ラギもついていこうとしたが、ラザフォードが振り返り、君はそこで待っていてくれ、と止められてしまった。
『悪いんだけど、あんまり人を立ち入れさせたくないんでね。
アーノルド君はちょっと借りるよ。』
借りると言われ、レニーは嫌な顔をしたように見えたが、それも一瞬のことで、バレる前に通常運転へと表情を戻す。
器用なことをする人だなぁ…とラギは少し感心した。
『その代わりと言ってはなんだがシェリーを貸そう。
シェリー、ワーナーくんの相手をして差し上げなさい。』
『分かりました。』
レニーとラザフォードが部屋の奥まで行ってしまうと、入り口には2人。
ラギとハンナが残された。
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