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『しっかしまぁ、よりによって狂暴化したモンスターに襲われるとはな。つか森ん中入るなっての、危ないだろ』
『あはは…入団したくて都市を目指していたんですが、見えてきた所でさっきのに襲われて
逃げてるうちに迷子になっちゃいまして…』
ラギは話しながら気まずそうに目を逸らす。
しょっぱなから恥ずかしいところを見せてしまった…と。
けれどレニーは軽く流し、こう言った。
『今、結構人数不足でな。入団して貰えるなら嬉しいさ』
『人数不足…やっぱり狂暴化の深刻化が…?』
『………。』
狂暴化…今、それが全土で深刻化が進み被害が拡大している。
設立された王立騎士団もその対応にに追われている為に人数が不足しているのだと。
そう、ラギは思っていた。
けれど団員2人浮かない表情に違和感を覚えるとそれを問おうとしたが、
『あ、そうだ。一応入団試験があるのよ。
ちょっと厳しいかもしれないけど最低限の心構えがあればなんとかなるから』
『あ、はっ、はい!』
リオノーラにそう切り出されてしまい、タイミングを逃してしまった。
ーー今狂暴化について気にしても仕方ないか…
話を変えられたところから察するにあまり部外者に触れられたくないのだろう…と踏んだラギは、
目の前の入団試験気持ちを切り替え、やってやるさ!と意気込むのだった。
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