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「ああ、そうなんだけどさ。『面倒だからパス』の一点張りでね。他に組む相手が居たなら、そう言ってくれれば良いのに」
「……いや、それは本心だったと思うぞ。俺がアイツを引き入れたの、ついさっきだし」
「え!? そうなの!? どうやって勧誘した!?」
「あ、いや……それは……」
ちょっと公の場では言えないんだよなぁ。
目を逸し気味な俺とは反対に、愁は瞳を輝かせて食い気味に。
「なんだよ、言えないの?」
「ああ、気になるなら本人の口から聞いて。俺からは言えない」
「そっか……分かった。じゃあとりあえず、今度セッションしよう! 組むか否かは、そん時のお互いの腕次第って事で!」
ニカッと煌めく白い歯を見せて笑う愁は、歯科衛生用品のCMに出られそうなくらいイケメンだった。
「マジで!? 助かる!」
「おいおいまだ組むと決まったわけじゃないだろ?」
「それでもチャンスをくれるだけ有難いさ。……あ、ところでもう一人のギターって?」
「ん? ああ、そっちのクラスの鏡堂だよ」
「……は?」
まさかの、アイツかよ……。
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