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そこで五限終了を告げる鐘が鳴る。
「はい、じゃあここまで。……浅石。オマエ実行委員な。放課後生徒会室に顔を出せよ」
「……え?」
何、今の?
去り際に何を言いやがったあのオッサン?
「ほら、これだよコレ」
先ほど聞いた声――愛徳魅沙の声に振り向き、その指が示す黒板を見てみれば……【文化祭実行委員:浅石燎】と書いてあって。
「ごめん、浅石くんが来たって言ったら、先生が勝手に……」
「サボり魔には当然の報いだ、とか言ってたぜ? ま、否定できないよなー」
愛徳の後ろから愉快げに口を挟んで来たのは、茶髪猫目の鷹也。
「そのサボり魔に重役与えるとか、正気かよ……」
「全くだ。今回の文化祭は、うちのクラスは不参加か?」
「だ、大丈夫だよ! 私たちも手伝うから、頑張ろう?」
愛徳、オマエは天使か?
そんな風に励まされたら、流石に投げる訳にはいきません。
放課後。
一人生徒会室に赴き慣れない雰囲気に俯き、俺がぼーっと意識を飛ばしてる間に会議は終わり、ステージ演奏係なる役割を振られていた。
「何それ?」
と聞くも担当の音楽教師の所に行け、という昨夜よく遭遇したRPGのお使いクエスト的なお言葉を頂戴し、再度足取り重く移動。
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