殺人衝動

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翌日には、警察は僕を訪ねてきた。 当然だ。 死体が、発見されれば、最初に疑われるのは、交際していた僕だろう。 僕が直子を、殺したのは、8時頃だか、何時ものように、11時にマンションを出た。 今更、習慣を変える気はなかった。 マンションの防犯カメラにも僕は、写っていただろ。 死亡推定時刻に一緒にいたのは、僕だと警察が判断するのは、当然だ。 重要参考人として任意同行で警察に行くことになった。 衝動を抑えられなかったのとで、敗北は決定的だった。 「西山雄一郎さん。間違いないですね。」刑事は、お決まりの確認をして行く。「小島直子さんと交際があった。」 「はい。」 「小島さんの死亡推定時刻は、昨日の夜7時から11時の間。あなたは、マンションの防犯カメラに6時に小島さんと帰宅したのが写っていました。そして、11時に一人でマンションを出ていきましたね。」 「はい、ずっと一緒にいました。」 「と、言うことは?」 「小島直子を殺したのは、僕です。」 あまりにも、あっさりと認めるので刑事も拍子抜けしたようだ。 「随分と簡単に謳うじゃないか。」 「他にも、確認したいことが、ありまして。」 これ以上なにがあるのか。 刑務所の生活は規則正しいらしい。今の所、それが救いだ。 「ここに、小島直子さんの作った資料がありまして。どうも、探偵を使って、あなたのことを随分調べたようでして。」 「僕のことを?」 浮気調査でもしたのか? 刑事は、話を続けた。 「この資料によると、あなたは、迷宮入りしている通り魔事件が全国にあるのですが。それに、関わっていると。通り魔のあった日に、偶然にも旅行で訪れているのですよね。いや、偶然にしては、8件も一致する。全て髪の長い若い女性が被害者だ。」 「若い女性?」 そうか、僕は、気がつかなかったが若い女性ばかり殺していたのか。 「そうですか。一種の恋でしたかね。」 そう言うと刑事は、不快な顔をした。 「それも、認めるので?」 「それは、黙秘します。」 しかし、なぜ、直子がそんなことを調べていたのか? 「良いでしょう。まだ、あります。」 「他にもなにか?」 「小島直子さん、実は偽名を、つかっていましてね。本名は、田村里美さん。ご存知ですか?」 「田村里美?」 「あなたが、幼いころ一緒に遊んでいて事故で亡くなった田村真弓さんの妹さんですよ。」
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