プロローグ

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学校から家に帰る途中だったとおもう。 噂の交差点を通って近道しようとしたことが間違いだった。 噂の交差点、横石交差点には別名神隠しの道とまで言われる都市伝説がある。 横石交差点を渡るときには必ず右足からと言う変な掟まである。 私は興味本意で左足から横断歩道へ進んだのだ。 このご時世に神隠しなどあるわけがない。 よく空間の捻れにまつわる恐怖体験を聞くけれどさほど気にしてはいなかった。 私は交差点の横断歩道を渡っていく。 時刻は夜七時。車だって通る時間で横田交差点にはたくさん人がいた。 私は人混みの中にいた筈だった。 だからもうすぐ歩道に辿り着、美味しいソフトクリームを食べながら家路に着く筈だった。 それなのに。 私は、気が付いたら変んな煉瓦道にいた。 スマホが機能しないと言うのはどうしたというのだろろう。 足元で何かが光っているけれどこれはなんだろう。そもそもここがどこなのか分からなかった。私は左右を念入りに見回したけれど。近所の商店街でも遊園地でも無さそうだった。 「シューテイング」 声がしたのはそのときだった。 目がおかしくなるほどの光が通路の突き当たりで点滅した。 立ちすくんでいる私を誰かが引っ張った。 「君、俺に付き合って」 私より年上の男性が言った。 声に聞き覚えがあるような気がした。 驚いていると警笛が聴こえた。 青い帽子に青い制服の男たちが私たちに向かって駆けてくる。
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