第0章 プロローグ

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第0章 プロローグ

                    〇 星歴四十七年。 銀河系第四惑星の重度の古代文明の発見により、人類は宇宙進出を加速させつつあった。 我々の母星なる蒼き星に住む人類は、唯一の衛星に居住空間を造り、一つの巨大な経済大国となっていた。 そして、この国の経済力や科学術により、第五惑星とその付近にある多数の小惑星を植民地化していった。 初期は順調には見えたが、時間が経つにつれ、最前線の防衛戦力が足りなくなり始めた。 既に、各惑星軌道上及び、各惑星に配備されている予備防衛艦隊をすべて招集しており、それでも最前線の七割ほどにしか届いていなかった。 先月にはついに第五惑星軌道から第六惑星軌道まで最前線を伸ばす政策まで出てきた。 だが、ここで七十年ぶりとなる戦争が始まってしまった。 もちろん、宇宙進出にはブレーキがかかってしまい、第六惑星軌道まで最前線を伸ばす計画は破棄されてしまった。 そんなことよりも全人類が驚いたのは、この戦争が地球人同士ではなく、敵が未知の惑星の生命体であったことだ。 奴らは、地球人に『反銀河軍事大帝国(通称:ドルガル)』と呼ばれている。 まず、地球人は気付くべきだった。 彼らが、この銀河系にワープしてきた時点で、科学技術がすでに劣っているということに。 地球人にはワープなんて技術以前に、その研究すらしていなかったのだ。 そして、ドルガルは戦争の初期にはあまり戦力を費やしていなかった。 これは地球人を油断させるきっかけになった。 初期戦力、地球人側全艦船合計約六十万、ドルガル軍不明種艦等合計約六千。 この状態で、誰もが勝利は目前だと思っていた。 だが、ドルガルはたった六千で百倍の六十万の艦隊を壊滅させた。 地球人が、混乱している間にドルガルは少しずつ領土を広げついに、木星は陥落した。 そして、これに対処するために設立された特務機関『MHP』 ドルガルの出現と、特務機関の設立はこの星、いやこの銀河を動かすこととなる。
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