第1章

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「大変だ! タコ焼きのタコがもう直ぐ無くなるぞ」 「如何にしよう、もう仕入れるお金残って無いよ」 「タコ抜きのタコ焼きにしようか?」 「タコが入っていないタコ焼きなんて、タコ焼きじゃ無いでしょ!」 「じゃ、どうするんだよ?」 文化祭の展示物である屋台の売り物、タコ焼きのタコが想定していたより早く無くなった。 原因は、タコ焼きと共に売っていたお好み焼きにもタコを使った為。 「何だ? 何だ? 何かトラブルか?」 クラスメイトだが、学校一の悪と言われている男子生徒が話しに割り込んでくる。 「タコ焼きのタコが想定していたより早く無くなりそうなの」 「タコが必要なら俺に任せろ。 直ぐに仕入れて来てやるよ」 「でも仕入れるお金が残っていないのよ」 「うーん、それじゃ、チョット割高になるけど後払いにしてもらって、売上の計算が済んだらそれで支払うようにしよう」 「それで良いのならお願い」 「任せてくれ」 彼のお陰でタコが手に入り、学校で一番の売り上げを記録した。 でも1つだけ気がかりな事がある。 文化祭が行われていた日に、学校の近所に住んでいた多胡さん一家が失踪した事。 今更だけど彼が仕入れて来たタコ、何か肉ぽかったのよね。
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