なりすまし

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 しかしながら、それに対しての返信は無かった。なんだか、自分自身に返信を送る、変な女のような印象しか与えない。ミズキは、イライラした。自分に実害のある書き込みではないにしても、身に覚えのない書き込みは気味が悪いものでしかない。ミズキは思い至って、そのSNSのアカウントを削除した。  とりあえず、また一から、自分のアカウントを作りなおそうと考えたのだ。これなら、もう、くだらない悪戯はできないだろう。友人達に、理由を説明し、また友達登録してもらった。 「そんなことがあったんだ。なんだか、気持ち悪いね。」 友人は親身になって相談に乗ってくれた。 「また一から、フェイスノートはじめました。」 まずは、最初の書き込み。これで、もう悪戯は無くなるだろう。そう思っていた。 ところが、数日後。 「イエーイ。友人達と、カラオケでーす♪レイナのメタラーの真似、チョーうける(笑)ヘドバンしながら、デスボイス全開(笑笑)」 全く身に覚えの無い、カラオケの画像がアップされていたのだ。ミズキとその他の友人達が楽しそうにカラオケに興じる写真だ。 「ウソ!最近カラオケなんて、行ってないし!」 だが、その写真は確かにミズキ本人である。 友人に電話で確認した。 「ねえ、私、カラオケなんて行ってないよね?」 「はあ?何行ってんの?昨日行ったじゃん。レイナがデスボイスでメタル歌って、チョーうけたじゃん。」 「・・・私、行ってない。」 「ねえ、ミズキ。もしかしたら、アンタ記憶喪失なんじゃない?」     
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