なりすまし

5/6
前へ
/6ページ
次へ
そんなバカな。昨日は確か、家で一人で居たし、ロードショー番組で好きなアニメをやるので、絶対に出かけていない。昨日見たアニメの内容だってちゃんと覚えてるし。  なにかがおかしい。  ピンポーン。 フェイスノートが更新されるたびに、メールでお知らせをする機能をオンにしたので、今、まさに更新された音がした。 「公園なう。いいお天気だあ。」 どこかで見たことのある公園。そこにはベンチに座るユウキと手を繋ぐ誰かの画像。 そこか!ミズキは大急ぎで家を出た。 ニセモノめ。正体を突き止めてやる! 公園は、ここから歩いても5分の距離だ。 今すぐ走って行けば、ニセモノとユウキを捕まえることができる! ミズキは怒りで頭が爆発しそうだった。ユウキの浮気相手の嫌がらせだと思ったのだ。  公園が見えてきた。ベンチに座る、ユウキと女の姿を確認した。 「ちょっと!あんた達、何やってのよ!誰よ、その女!」 驚いて振り向く二人。 「あっ!」 ミズキは驚いて、声を上げた。 そこには、ミズキ自身と、ユウキの姿があった。  なんで?私が、そこにいるの?  ユウキが怪訝な顔で睨む。 「誰ですか?あなた。」 不安そうな顔で、彼の腕に自分の腕を絡ませるミズキ自身。  うそ・・・。私は・・・。誰? 「行きましょう・・・。」  ユウキの横で、ミズキとそっくりな女は恐怖に怯える顔で、ユウキの腕を引っ張って行ってしまった。     
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加