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外ではセミたちが飽きることなく鳴いている。日差しは強く、二時間程度の外仕事で日焼けしてしまう。
しかし、そんな夏の日差しは冷房のきいた部屋では何のことはないのだ。
大学3年の川崎篤志は夏休み中のインターンシップで役場の就業体験をしている。涼しい事務室の一角でパソコンと睨み合っている。
すると隣の席の大倉が、こんなことを呟いた。
「来週に小学校の蔵書点検があるのよねぇ…本重たくて男手があると助かるんだよぉ?」
軽くため息をつきながら予定表をみて大倉はボランティアの話をしている。
しかし、その呟き方と呟くタイミングは明らかに篤志を勧誘している。
「俺で良ければ手伝いに行きましょうか?俺の母校ですし、暇もありますから!」
「ほんとに?助かるわぁ!今のところ参加してくれる人がお年寄りとお母さん達だけで困ってたのよねぇ!」
「いえいえ、久しぶりの小学校も懐かしくて楽しみです。頑張って来ます!」
「じゃあよろしくね!担当のコーディネーターには連絡しておくから当日に寝坊とかしないように頼むわね!」
「はい・・・善処しますね(⌒-⌒; )」
こうしてインターンシップを終わってからボランティアとして小学校の蔵書点検をすることとなった。
「じゃあ篤志君、この書類書いてくれる?」
そう言うと大倉は、何かの登録用紙を篤志に渡した。
そこには・・・
「学校サポーター??なんですかこれ?」
「これに登録してくれると、もしもの事故とかの時に保険がきくから登録してね!」
と、いうことなので篤志は登録用紙に連絡先などの個人情報を書き込んだ。
(怪我とかした時にお金がでるなら登録しておくことに損は無いな、まぁ怪我とかしないのが1番なんだけどね・・・)
そんなことを考えなから書類を書き終えて、自分の仕事に戻る。
このインターンシップの出来事から、篤志のボランティア活動が始まった。
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