第2話 母校の図書室で

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「おはようございます。大学生の川崎篤志です。今日はよろしくお願いします。」 背筋を伸ばし篤志は挨拶をする。 「大学生なのかい?若いねぇ」 「若い男の人がいると心強いですね?」 おばさんやおばあちゃんが多く、若い男子が来るのは嬉しいようで歓迎されていた。 すると、篤志は後ろから可愛らしい声で呼ばれ振り返る。そこにいたのは・・・ 「篤志さん!お久しぶりですね、今日は頑張りましょう!」 そこにいたのは少し茶色いセミロングの女の子。篤志のことを知っているようで元気に話かけてきた。 「あ・・・よろしくお願いします。」 (誰だこの子・・・) 「もしかして覚えてないんですか…?ちょっとショックですよ?」 「あははは・・・ごめんね。」 (え?誰だよこの子!俺の知り合いにこんな子いたか?てか俺女の子の知り合いなんてそんなに多くないぞ・・・) 「宮本伊吹ですよ!集落のお祭りとかで遊んだじゃないですか?。塾でも一緒に勉強とかしましたよ?」 「あ?!伊吹ちゃんか!大きくなって?どこの大学行ったの?」 「なにオジサンっぽいこと言ってるんですかww。それにまだ高校生ですよ!」 彼女はあつ先生の娘さん宮本伊吹。篤志より3歳年下で現在高校三年生、篤志が学習塾に通っていた頃(数週間だけ)にとても懐かれた女の子である。 当時はまだ小学校低学年で髪型も顔立ちも全然変わっていた。 (分かる訳ねぇだろーーー!!!) 篤志が心の中で叫んでいると、あつ先生が挨拶を始めた。 「皆さんおはようございます。お忙しいなか集まっていただいてありがとうございます。暑いので、体調に気をつけながら頑張りましょう!」 「「「「よろしくお願いします!!」」」」 挨拶がおわり、図書室に移動する。 篤志は、伊吹に連れられて図書室に向かう。明るく人懐っこい笑顔に少し困惑しながら・・・
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