第2話 母校の図書室で

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学校の中は、夏休み中のため冷房は使えない。そのため少し移動しただけでもジワっと汗が出る。 学校中にある本棚から本を図書室に運ぶのだが、図書室がある二階のフロアは比較的大変でわない。本を籠に移して台車で運べば体力はそんなに使わない。 しかし・・・一階と三階はしんどい、この学校にエレベーターが無いため、本の入った重い籠を持って階段を昇り降りする。 「いやぁ暑いね、伊吹ちゃん大丈夫?」 (暑っついなぁもう!) 「大丈夫ですよ!まだまだこれからです!」 暑さにイライラしながらも、一応年上の威厳を保つため、篤志は自分の本音を漏らさないように後輩に気を配る。 汗がおデコから鼻頭に流れて行く、2人とも汗で背中のTシャツが少し張りつく。 篤志と伊吹は三階を担当していた。 三階は5、6年生の教室と、理科室、音楽室がある。 5、6年生の教室の前に本棚が4つあり、その本を籠に入れては二階の図書室に向かう。 図書室で図書館司書の先生がバーコードで本の確認をして、本をまた元の棚に戻す。 階段の昇り降りは全部人力である。 (流石に階段は女の子に持たせるのは・・・ダメだな・・・) 階段は全部篤志が持って降りる。三階のフロアに着けば台車を使えるので、そこは伊吹に押してもらい本を運ぶ。 そんな作業をとりあえず二時間程度やったところで、あつ先生が声をかけてきた。 「ちょっと休憩しようか、暑いから水分摂ってね!」 「ありがとうございます!結構キツイですね・・・」 「やっと休憩かぁ!お母さん飲み物ある?」 「図書室に用意してあるから2人とも図書室にいきな!私は1回職員室行ってくるから。」 そう言うとあつ先生は階段を降りて行く。 「じゃあ少し休憩しに行くか!」 「はい!図書室なら涼しいですね(*^^*)」 「そうだな!」 二人で図書室に向かう。流れる汗をタオルで拭いながら・・・
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